増改築工務店 成功事例 １
増改築工務店 成功事例 １
広島市南区Ｈ工務店
資本金 300万円
社員数 ７名
（内訳） 社長・営業２・大工３
年 商 3億2,000万円
粗利益 8,000万円（推定）
主力工事 木造在来の増改築工事
広島市南区Ｈ工務店はチラシによる徹底したイメージアップ作戦で成
功している。
社員一人一人に「現場でのイメージアップ」を浸透させている。
それを心掛けてから３年になる。
まず、工事着工前に当然ながらご近所まわり。「工事中ご迷惑おかけし
ます」の着工前挨拶はもちろん、最終的に近辺から工事の注文を取るこ
とが大きな目的なので、すぐ近所だけでなく現場から半径200メートル
位（世帯数150〜200軒）に、手作りチラシを以下のように、１軒の工事
ごとに６回配布する。（以下、チラシの文面は要約）
第１回目チラシ（工事受注後すぐ）
内容／着工前の挨拶
３丁目７番25号の川崎様宅で増改築工事が始まります。
２階に子供部屋を二部屋増築し、１階は全面改装です。工事中はご迷惑
をおかけいたします。
施工は南区のＨ工務店が致します。
工事中、何かとご迷惑をおかけするかと思いますが、よろしくお願いい
たします。
工事中何かございましたら下記担当者までご連絡ください。
南区○○町 Ｈ工務店 担当 吉野次男
電話082-277-XX55
第２回目チラシ（工事開始直前）
内容／工事開始のお知らせ
いよいよ先日お知らせいたしました川崎様宅で工事が始まります。
５月15日朝10時より解体工事の車両が２台入ります。
現場管理者が現地で安全を十分確認いたしますが、お子さまのいらっし
ゃるご家庭では念のためご注意ください。
解体工事は、ほぼ１日で終了いたします。
ほこりや、ゴミ等極力でないようにいたします。何かとご迷惑と思いま
すがご容赦ください。
第３回目チラシ（施工中）
内容／工事の状況報告
川崎様宅の増改築工事は順調に進んでいます。大工工事が完了し、現在
クロス張りや塗装工事等の内装工事に入っています。ご協力まことにあ
りがとうございます。
工事はあと10日ほどで完成です。
完成後は、みなさまのご参考になればと、完成見学会を計画しています。
詳しくは後日ご案内をいたしますのでよろしくお願いいたします。
第４回目チラシ（竣工直後）
内容／工事ご協力のお礼
川崎様宅の増改築工事がお陰様で予定通り完成いたしました。
工事中は地域のみなさまには工事車両の出入りや騒音等で大変ご迷惑を
おかけいたしました。申し訳ありません。
川崎様は大変喜んでいらっしゃいます。
次の日曜日に完成見学会を行う予定です。詳しくはまたお知らせいたし
ます。どうもありがとうございました。
第５回目（竣工後数日して）
内容／完成見学会のお知らせ
先日よりお知らせしておりました川崎様宅の増改築工事ですが、川崎様
のご厚意で今回改装後の住宅を公開していただけることになりました。
完成見学会を下記の通り開催いたします。
これから増改築をお考えの方も、いますぐご計画のない方もご遠慮なく
お越しください。
時 ６月30日（日）午前10時より午後４時
所 ３丁目７番25号 川崎健二様宅（地図参照）
＊当日は設計士もインテリアコーディネーターもおりますのでご計画
の方は、ご遠慮なくご相談ください。
第６回目（完成見学会後すぐ）
内容／見学会の来場お礼と会社の宣伝
川崎様邸完成見学会に多数お越しいただきありがとうございます。
当日は50組の方に見ていただきました。現在増改築をご計画中の方も10
数組おられ、大変参考になったとのことでした。
当社は、昭和60年に創業した増改築専門工務店です。南区を中心に市内
一円で13年間に350件の増改築工事をさせていただきました。これからも
地域のみなさまの増改築屋として努力精進していきますのでよろしくお
願いいたします。
Ｈ工務店 社員一同
チラシの文面を注意深く読んで行くと、「挨拶」や「お知らせ」の文
面の中に、完成見学会のお誘いや会社の宣伝がそれとなく書かれており、
結果的には営業チラシになっているのである。言葉は悪いかもしれない
が、巧妙に消費者の心をつかむ名文と言えるだろう。
この計６回のチラシで見積依頼や注文が平均３軒ほどある。金額的には
一戸建ての増改築で400万円から500万円、マンションの改装で、200万円
から300万円が多い。
たまたま私がこの社長と会っている２時間の間、見学会の直後で、事務
所には２本の見積依頼の電話があった。その２本の電話の内容は、かな
り濃く「見積はあとでいいからすぐに始めて欲しい。信頼できるので頼
みたい」というのものや、「75歳の親の家を改築したいが自分が大阪に
いるので心配だ。おたくのような工務店なら、すべて任せたい」と、か
なりこの工務店に対する信頼感が感じられた。
社長は「この６回のチラシだけでほかには何にも営業はしていません」
とうれしい悲鳴だ。
社内には事務用の印刷機があり（リースで月々18,000円位）週に３回社
員交代で手作りのチラシを作成している。月の広告費は、印刷代・紙代・
印刷機のリースで10万円程度。
チラシの文面はとても柔らかく、担当の営業マンや現場で実際に施工す
る大工のイラストが入っていて親しみやすいものである。
チラシには毎回、社名入りのポケットティッシュや花の種を添えて、一
戸一戸のポストに配布する。
チラシを見たお客様の反応は、１回目のチラシは他の工務店もやってい
るので特に目を引かないそうだが、さすがに３回目以降になると「この
工務店はどこか違う」と思ってもらえるそうである。
繰り返しの効果である。
１軒の工事で近辺に６回チラシをまくということは、近所で２軒目の
工事が取れるとまた６回計12回入ることになる。３軒目で18回、つまり
１地区で何度も何度もこのようなチラシが、文面とデザインを変えてポ
ストに入っている事になる。いまでは地区内のほとんどの世帯に社名が
浸透している。
またこれだけチラシが入って来ると、増改築を検討しているお客様は
必ず興味を示すので、工事中に現場に見に来る人も多く、それだけに大
工も手を抜けないと張り切っている。
チラシは同じ文面にならないように、また表現もしつこくならないよう
に少しずつ変え、「住宅チェック一口メモ」のような読み物的なものを
入れるなど工夫している。
一日の工事が始まる朝と、仕事の終わった夕方には大工が現地近辺をき
れいに掃除して回り、ごみひとつないように徹底している。
「工事中に現場の前の道路が汚かったりすると何回いいチラシを入れて
もまったく効果ありませんよ。」と社長。
大工以外の職人等の教育にも力を入れており、近所の人に必ず挨拶を徹
底させている。
チラシの徹底した配布と、現場の整理整頓、職人のあいさつ、たったこ
れだけの事で、仕事がとぎれる事がないという。地元に、Ｈ工務店の信
頼される増改築の業者としてのイメージは、日に日に浸透しているよう
だ。
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