増改築工務店 成功事例 11
増改築工務店 成功事例 11
名古屋市昭和区Ｔホームズ
資本金 500万円
社員数 10名
（内訳） 社長・営業７・事務２
年 商 3億5,000万円
粗利益 9,000万円（推定）
主力工事 木造在来・マンションの増改築工事
「大手との競合に勝つための見積書」で紹介したＴホームズは「ホー
ムパーティー」で集客をしている。
ホームパーティーはもともとアメリカで始まった販売方式で、化粧品
・健康食品・台所消耗品・婦人下着等の販売に広く使われていた。
方法は、一人の会員または消費者の家を会場として、10人未満の小規
模のパーティーを開催する。パーティーは軽食・コーヒー程度の軽い
形式で、きわめてアットホームで個人的な集会だ。
その会場（家庭）で、おしゃべりをしながら商品を手に取ったり使用
した感想などを実際に聞いたり見たりして、購入をするという方法だ。
化粧品や健康食品等の、商品自体が生活関連商品と言うことと、ホー
ムパーティーは効果的で費用のかからない方法としてアメリカを中心
として広がった。
Ｔホームズではこの方法を増改築の集客に応用し、小単位のホームパ
ーティーを、ウィークデーの昼間や週末の夜に毎日のように開いてい
る。必ずしも増改築を完工した家が会場になるわけではなく、今から
計画している見込み客や社員の家が会場になることも珍しくない。
ホームパーティー自体、家庭の奥様が対象なので、増改築の現場を見
せる形式の通常の完成見学会より、おしゃべりの中から徐々に工事の
決断をしていくというパターンが多いそうだ。
ホームパーティーは営業社員ごとに企画して進められ、その費用は全
額会社持ちだ。一回のホームパーティーで会社からでる手当は、参加
者一人当たり 3,000円、参加者が営業社員を入れて10名だったら合計
３万円だ。
手当の使い道は自由だ。レストランでやってもいいし、自分でやって
もいい。手当が余れば営業社員のおこずかいになる。平均的には一人
当たり 1,500円くらいで上がっているようで、１回で５人のメンバー
を集めれば 7,500円の浮きだ。この手当の浮きは魅力的だと営業社員
の一人は言う。（給料・歩合は別途支給）
一人の営業社員が平均的に月に４回程度ホームパーティーを企画して
いるようで、全社合計して、月に25回から30回は開催されている。
営業社員は、開催１週間前に「ホームパーティー開催願」を社長に提
出し手当の仮払いを受ける。終わったら参加人数とパーティー報告書
を提出、見込み客の進捗状況を報告する。全社で月に30回行われるホ
ームパーティーの３分の１は社長も参加し、担当営業社員のフォロー
をする。
ホームパーティーで話される内容は、主に間取りプランのことやイン
テリアデザインなどが中心で、工事をした経験者が中心になって経験
談を話す形式が多い。
受注はホームパーティーの数に正比例して上がるので、営業社員は営
業実績で評価されず、充実したホームパーティーをいかに数多く開い
たかで評価される。
営業社員を売上げ等で縛らず自由に生き生きとさせている。
一人の営業社員が一ヶ月に30人から40人程度、ホームパーティーに見
込客を動員し、その中から平均 400万円の受注をする。内容は一件あ
たり500万円から200万円の工事が多い。
ホームパーティー以外には特に集客活動はやらないので、ホームパー
ティーの成功がすべてだ。だから担当者はいかに魅力的なホームパー
ティーを開くかをいつも研究している。時にはベテランの開催するパ
ーティーに参加して、勉強することもある。参加者が「次回も来たい
な」と思えばほぼ成功だという。
家庭の主婦は人脈が結構多い。一人の主婦が、知人・友人・親戚等、
100人以上は人脈を持っているという。 働く主婦になるともっと多い
だろう。参加者の知り合いを次々とパーティーに誘ってもらえるよう
に努力するのも営業社員の仕事だ。常に電話連絡を欠かさず、ハガキ
やＤＭも常時送る。
「要するに、この商売は人と人の繋がりなんですよね。技術や知識も
大事ですが、それ以上に人間関係が大事です。」（社長談）
女性を営業社員として７名採用している女社長は、女性だからこそこ
の方法が向いていると言う。社長はアメリカで生活した経験から、こ
の方法で増改築の営業をしたら絶対に成功すると確信があったそうで
ある。
化粧品の販売も、婦人下着の販売も、健康食品も、増改築も、不動産
の販売もこの方法が絶対にいいと、自信を持っておられるようだった。
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