増改築工務店 成功事例 12
     

        
   
女性は男性の3倍の戦力だ


             京都市北区M住宅

                 資本金  300万円
                 社員数  12名
                 (内訳)  社長・専務・営業5・事務2
                       監督2・コーディネーター1
                 年 商  5億9,000万円
                 粗利益  2億円(推定)
                 主力工事 木造在来・マンションの増改築工事


        京都市北区M住宅は社員12名。
         内訳は男性5名(社長・営業2・現場監督2)、女性7名(専務・事
         務社員2・営業3・インテリアコーディネーター1)の完全女性主導
         型の会社だ。
         専務は社長の奥様で、12年前の創業時は社長と二人で力を合わせて頑
         張ってきた。
         社長は2名の現場監督と協力して現場を担当し、営業の第一線には出
         ない。2名の事務社員はチラシの製作や電話セールスまでこなし、そ
         れによって見込のある顧客への初回訪問は女性営業社員3名が担当す
         る。
         男性営業社員2名は、元大手住宅会社に勤務していたベテラン営業マ
         ン達で、専務が引き抜いてきた。2人とも2級建築士の資格を持って
         いる。
         
        M住宅は分業制を採用している。女性の事務社員達がリストによって
         1人1日 150件の電話セールスをする。そのセールスマニュアルも出
         来上がっており、応酬話法の研究は専務の考え出したものである。
         応酬話法については他の章で詳しく述べるのでここでは割愛する。
         電話セールスによって見込ありと判断されたお客様は、女性営業社員
         にバトンタッチされる。昼間奥様のいる時間帯にインテリアコーディ
         ネーターと2人1組になって訪問し、改装工事の希望があるか、ある
         とすればどこをどういう風に改装したいのかを聞き出してくる。
         次は社長がその希望条件で概算見積を作成する。その概算見積書を持
         って、夜、ご主人が在宅の時に初回訪問をした女性営業社員と男性ベ
         テラン営業社員が訪問をする。そこで、女性営業社員から男性営業社
         員へバトンタッチされる。
         
         数回の訪問の後、契約できたら社長と現場監督が2人1組になってお
         客様に面会し、社長が契約のお礼と現場担当者の紹介をする。インテ
         リアコーディネートの必要性があればそこで再度、インテリアコーデ
         ィネーターの出番だ。工事は現場担当者の監督で進められるが、大工
         の紹介も現場担当者の仕事だ。

         工事も無事終わり、引き渡し時には、担当した社員全員がお客様を訪
         問しお礼を言う。
         電話セールスできっかけを作った女性事務社員、初回訪問の女性営業
         社員、現場担当の現場監督と社長、インテリアコーディネーター、契
         約担当のベテラン男性営業社員。
         つまり、一人のお客様を担当した社員全員で訪問するのだ。これで感
         激しないお客様はいないと言う。
         総仕上げは専務(奥様)の出番だ。
         「あとあとのアフターサービスの窓口はすべて自分に。」と改築祝い
         の花束を持って後日訪問する。

        最初私はその話を聞いて、1人のお客様に何人もの担当者がついて、
         逆効果ではないかと思った。
         それを専務に訪ねたところ、「我が社は、わずか10人あまりの小さな
         会社ですよ。社員全員紹介して顔を知っておいてもらえば、お客様が
         いつ会社に電話されても、訪問されても、誰か知っている人間と話が
         出来るでしょう。一人でも多くの社員を知っているとお客様は非常に
         安心なんですよ。」と言う答えが返ってきた。
         専務は続けてこう言った。「うちみたいに女性が会社を引っ張ってい
         るところは、いかに女性に生き甲斐を持たせるかなんですね。普通の
         会社は女性をそこまで重要視しないでしょう、だから女性はやる気を
         ださないんですよ。本当は女性は男性の3倍は働きますよ。使い方一
         つでね。」
         そしてこの会社のすごいところは、女性の能力を最大限引き出すため
         に、男性がフォローする役目を担っている事だ。
         男性社員もそこのところはよくわきまえている。あくまで女性に花を
         持たせるのだ。
         「女性は男性の3倍働く」その専務の言葉が今でも忘れられない。


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