増改築工務店 成功事例 5
増改築工務店 成功事例 5
名古屋市中村区Ｇ建設工業
資本金 2,500万円
社員数 15名
（内訳） 社長・専務・営業６・事務３
工務３・設計１（兼コーディネーター）
年 商 5億4,000万円
粗利益 1億7,000万円（推定）
主力工事 木造在来の増改築工事
名古屋市中村区Ｇ建設工業は女性の採用で成功している。
営業社員６名全員女性だ。１名いる設計社員（インテリアコーディネー
ター兼務）も女性だ。
女性社員は事務職を除き大卒・短大卒である。新卒ではなく他の会社か
らの転職組や主婦だ。
設計士以外は他の会社で全く建築とは関係のない仕事をしていた人たち
ばかりである。前職は、経理事務、保険請求事務、公務員、秘書、銀行
員、臨床検査技師等。
転職の理由は、給料面、人間関係、リストラ、結婚等それぞれだが、た
だ一つ全員に共通していることは、前の会社では「男性の補助的な仕事
しかやらせて貰えなかった」ということである。これは面接にきたすべ
ての女性達が口をそろえて言う言葉である。
男女雇用機会均等法が施行されても、厳然として女性を重要な戦力とし
て見ない風潮はまだまだ残っているようだ。
いくら能力があっても評価されず、また能力のない男性が女性ををどん
どん追い越して出世していく、そういう会社で女性にやる気を出せと言
っても所詮無理というものだろう。彼女たちはそういう企業を見限って
退職して行く。
このＧ建設工業では女性は全く男性とは差別されない。
同じような仕事を与えられ、責任も男性同様問われる。給料面でも女性
だからと言って男性と格差はつけない。ただし、体力的なハンディーが
あるので力仕事は要求されない。深夜の残業も免除される。主婦の場合
はパートでの勤務も許され、自分の勤務時間を自分で設定出来るように
なっている。
「こんなに女性が働く条件が揃って、しかも能力を正当に評価してくれ
る会社は今まで他にはなかった。」と営業のリーダーである36歳の女性
は言う。そして、「やっぱり女はだめだ。」と絶対に言われたくないの
で、それががんばる原動力になっていると言う。
給料はチーム給になっている。
若い営業社員と年輩の営業社員とが２人でチームを組み、普段は別々に
戸別訪問。重要な商談になると経験豊富な年輩社員が同行して、クロー
ジング（契約の詰め）を行う。チームメンバーの固定給は四半期の売り
上げによって３ヶ月毎に増減する。
固定給の平均は15万から20万円。歩合給は契約金額の
5％で、担当営業
社員が３分の２、チームリーダーに３分の１を配分する。
給料総額は月平均で 40万円位で、ボーナスを加算すると年収600万円か
ら650万円である。
私が「とてもいい給料ですね。」と言うと「そりゃあ朝から晩まで働い
てますからね。」と先ほどのリーダーの女性はにこりと笑った。
この会社には30代から40代の男性の現場監督が３名いて、女性達がお
客様のところへ夜訪をかける（夜お客様の家に商談に行くこと）時には
同行するようになっている。ボディーガードの意味もあるだろうが、お
客様に専門的な質問等をされたときには男性社員の出番だそうだ。
このようにＧ建設では女性が中心となって会社が動いており、女性の力
なしでは会社が成り立たなくなっている。
ふつうの会社のように結婚退職をする人がいない（結婚しても継続して
勤務する人がほとんど）ので、会社としてもじっくり人を育てる計画が
立てられるとのことである。
インテリアコーディネーター、２級建築士、増改築相談員、キッチンス
ペシャリスト等の資格を取得したら、固定給が一つの資格につき
5,000
円から30,000円アップ（資格の種類によって違う）するようになってい
て、夜遅くまで仕事をして、家に帰って資格の勉強をしている人も多い。
資格を取得するための専門学校へ行く人には学費を無利子で貸し付けて
もいる。
資格による手当は次の通りだ。
インテリアコーディネーター 10,000円
２級建築士 30,000円
増改築相談員 5,000円
キッチンスペシャリスト 5,000円
マンションリフォームマネージャー 10,000円
２級施工管理技師 20,000円
資格取得によって知識が増え、お客様へのアドバイスも自信を持ってで
きるようになる。お客様への的確なアドバイスと現場担当者への指示も
問題なく行えるようになり、ますますお客様から信頼されるようになる
と言う。
このＧ建設のように、女性のパワーを引き出し、有効に活用できる経営
者がこれからの企業には求められているのではないだろうか。
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