増改築工務店 成功事例 6
     

        
   
年配大工の活用が受注を決める


             三重県鈴鹿市Y工務店

                 資本金  300万円
                 社員数  5名
                 (内訳)  社長・営業2・事務1・監督1
                 年 商  2億円
                 粗利益  5,500万円(推定)
                 主力工事 木造在来の増改築工事


        三重県鈴鹿市Y工務店は創業8年の小さな工務店だ。
        社長は大手住宅メーカーを35歳で退職しこの会社を設立した。社長は設
        計と発注担当で、直接営業活動はしない。
        営業は38歳の社長の奥様と、65歳の大工の二人だ。大工は勤めていた住
        宅メーカーで手間請けをしていた人を引き抜いてきた。大工は年を取り、
        新築工事がきつくなっていたので社長の勧めに二つ返事でついてきたと
        いう。

        営業は奥様と大工といつも二人でお客様を訪問する。
        もと保険の外交員をしていたという奥様は、最初の初対面でお客様を引
        き込むのが上手だ。
        同行した大工が技術的なことを詳しく説明して、お客様の信頼を得るよ
        うに努力している。

        当初、26歳の男性営業社員を採用していたが、なかなか営業成績が上
        がらず苦労したという。その営業社員は住宅営業のベテランで、以前勤
        めていた住宅メーカーでもトップセールスマンだったが、どうして彼の
        成績が上がらないのかしばらくの間、分からなかったそうである。
        その社員が成績不振で退職して半年後、Y工務店のそれ以後の営業のヒ
        ントになる出来事があった。
        その社員が契約を取れなかったお客様のお宅を、奥様が後日訪問した時
        の話である。
        そのお宅のご主人が、「この間来ていた営業マンが来ると、うちの女房
        がそわそわするんですよ。」

        新築工事の場合は、金額が大きいこともあって、夜訪問してご主人と話
        をすることがほとんどである。しかし、増改築の場合は奥様の希望で改
        装を思い立つ事が多く、当然ご主人は工事の打ち合わせを奥様にまかせ
        る事が多い。つまり訪問はご主人のいない昼間が多い。
        こんな嫉妬深いご主人ばかりではないだろうが、契約の取れない原因の
        一端が分かったと思った。
        それから、社長は若い男性営業社員の代わりに年輩の大工を使うことに
        したのだ。これなら、ご主人も安心して任せてくれるのではないかと思
        った。

        Yホームではお客様の年齢は30代後半が多い。だからその年代のお客
        様にとって65歳の大工は、父親のような感覚がするという。
        65歳の大工を営業に回らせるようになってから評判が良く、名指しで電
        話もかかって来るようになり、営業成績も次第に上がってきた。
        また、大工は口が上手ではないのでかえって警戒されず、最初からすん
        なりと受け入れてもらえるようだ。

        最初の初回訪問の時は社長の奥様が同行し、話のきっかけをつかんだら
        大工が一人で訪問することもあるという。何日かして一通り打ち合わせ
        が終わったら見積りを提出し、奥様が訪問して契約をしてくると言う。
        また、工事をする大工も若い大工より年輩大工の方が評判がいいようだ。
        
        年輩大工を採用するもう一つのメリットは、若い人より賃金(給料)が
        安くても来てくれるということだ。現在は不況の影響で若い大工も仕事
        がなくて困っているようだが、あえて若い大工より年配の大工を募集す
        ると賃金が押さえられるという。
        大工自身、若い人のようには働けないが、まだまだ家でじっとしていた
        くないと思っている人も多いので、給料の事についての不満はないらし
        い。

        年輩の大工を最大限活用するメリットで見逃せないのは、その大工が
        昔新築したお客様を、自社のお客様に出来る可能性があるということだ。
        年輩であればあるほど、過去に施工をした軒数が多いので、その家を訪
        問すると、当時を懐かしがってお客様から喜んでもらえるそうだ。
        お客様は自分の家を建ててくれた大工には特別の感情を持っているもの
        だ。だから、定期的に訪問するようにすると増改築の計画がある家では、
        仕事の依頼が来るとも多いという。
        ただ、急に足繁く訪問したのでは下心が見え見えなので、最初は挨拶程
        度で、新しく勤め始めた会社の連絡先を伝えることだけでもいいとのこ
        と。
        それから、年賀状や暑中見舞いから徐々に訪問して行き、人間関係を復
        活させる。
        後は、お客様が増改築を思い立ったら電話が掛かってくる可能性が高い
        そうである。


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