頑張っている、工務店の営業社員の皆さんに
日頃のご苦労話などをインタビューしました
▼岡山市 Kクラフト 営業 遠藤繁さん(49歳)
自作の名刺
営業は商品を売る前に自分を売り込めとよく言われます。
私は、会社から与えられた名刺とは別に、自分で作った名刺を使っています。
大きさはハガキ大で、それに私の個人的な自己紹介などを書いています。
顔のイラストと、私の出身地、家族の事、趣味、この仕事に入ったきっかけな
どが書いてあります。
お客様から安心して任せて頂くために、私の自宅の住所と電話番号も入れてい
ます。
ある日、仕事が終わって家で一杯飲んでいると、あるお客様から電話がありま
した。
「すぐに来てくれ」と言われるので慌てて飛んで行きますと、その方のお友達
が遊びに来られており、家を建てるらしいので相談に乗ってやってくれと嬉し
い電話だったこともありました。
▼佐賀市Y商事不動産部 営業 小野永一さん(38歳)
速攻のお礼状
お客様と面談したら、その日のうちにお礼状を出します。
いつも、切手をはった絵ハガキを20枚くらいカバンに用意しておいて、お客様
のお宅から出るとすぐに、車の中でお礼状を書いて、ポストに入れます。
市内ですと、午前中に投函するとその日の午後に配達されることもあるので、
ハガキを受け取ったお客様は皆さんビックリされます。
絵ハガキは、美術館の売店などで売っている絵画のものや、旅先で買った観光
地のものが喜ばれます。
昔のお客様にも、電話を掛けるより絵ハガキを出す方が印象が強いと思います。
お客様のお宅に訪問したとき、居間の壁に私が今まで差し上げた絵ハガキが何
枚も張られていたのには感激してしまいました。
▼富山県黒部市R営繕 営業 穐本洋子さん(27歳)
会社に自信を持つ
私の勤めている会社は、住宅の修理・営繕が専門の会社です。
規模も小さく、社員も社長を含めて3名で、あまり人に自慢できる立派な会社
ではありません。
友達やご近所、親戚にも恥ずかしくて、勤めている会社のことを詳しく話した
ことは今までありませんでした。
ある日、子供の幼稚園バスを待っている時、その中の一人のお母さんが、「ち
ょっとお風呂が水漏れして困ってるのよねえ」と言っているのを聞き、思い切
って、私が勤めている会社のことを話し、すぐに手配してあげました。
彼女は私に、なぜ今まで仕事のことを黙っていたのか不思議だと言いました。
もっと回りの人に宣伝した方がいいよともアドバイスしてくれました。
私は考え方を変え、幼稚園の父兄、町内会など会う人には名刺を渡して、「何
かあったらお願いします」と宣伝することにしました。
その結果、会社が小さいとか社員が少ないとか、今まで自分一人で、気にして
いた事はまったく考えすぎだと思いました。
みなさんが口を揃えて言うのは、「会社が大きいとか小さいとかより、安心で
きるところに頼む方がいいよね」と言うことでした。
新規のお客様を獲得することにばかり目が行って、自分の身近にこんなに沢山
の仕事が眠っているとは気付きませんでした。
▼大阪市生野区Q住宅サービス 現場監督 菅野もとむさん(28歳)
現場は土足厳禁
住宅の新築現場にいると、通りがかりのお客様が結構入ってこられます。
工事中は、床などは養生紙やベニヤ板などで覆い、土足で上がっても傷がつか
ないようにしてありますが、それでもなおスリッパを用意しています。
スリッパに気付かずに土足で上がって来られる方には、靴を脱いでいただくよ
うにお願いします。
現場で働く大工や職人などにも、必ず上履きを持ってこさせるようにしていま
す。外に出る時にはいちいち履物を履きかえるので、職人によっては面倒くさ
がる者もいますが、決して土足のまま中に入ることは許しません。
それが習慣になれば、自然と履きかえるようになります。
なんと言っても、お施主様に、私達がいかに気を使って仕事をしているかを分
かって頂けるのが一番嬉しいです。
引渡し前の家ですから、傷が付かないようにということはもちろん、私達の気
持ちの問題です。
でも、工事中に、職人に土足で家に上がり降りさせる同業者があまりに多いの
に驚いています。
▼大阪市天王寺区Aプランニング 営業課 山口政治さん(25歳)
土地をお世話して特命をもらう
新築の注文建築をご希望されるお客様で、土地をお持ちでない方がおられます。
そういうお客様はすぐに建築という具合にはいきませんので、普通はどうして
も後回しになります。土地から探すとなると手間ひまもかかるので、私達営業
としては自然に、土地をお持ちで2年以内に新築を計画しているというような
お客様を追いかけることになります。
でもそういうお客様には他社も営業を掛けているので、相見積もりになったり、
契約直前で他社に取られたりすることも多いです。
逆に私は、土地をお持ちでないお客様だけを中心に営業しています。そういう
お客様は、気に入った土地さえお世話できれば、決して他社に工事を依頼した
りはしません。つまり、土地が見つかれば自動的に新築の注文が取れますので、
ご希望の土地を探す事に全力を尽くします。
一日の仕事の大半は、土地探しなのです。お客様が気に入るまで、何10物件で
もご紹介します。
▼愛知県知多市Gリフォームハウス 営業 野村仁さん(33歳)
手入れ上手なお客様を狙う
お客様のご自宅に訪問したとき、ついでに回りを数10軒訪問します。
家が古い・新しいはあまりリフォーム受注には関係ありません。外観が痛んだ
まま放っておられるお宅は、あまり家の手入れには興味のない方も多いようで
す。
かえって、こまめに手入れされているお宅のほうが、リフォームに関心をお持
ちです。新人のころはそれが分かりませんでしたので、古くて痛んでいる家ば
かり選んで訪問していました。
今は、庭などに花を植えておられたり、外壁などちゃんと手入れしておられる
お宅は有力なお客様だと思って訪問しています。
▼福岡市中央区N建設 営業 長谷川昭三さん(42歳)
会話のきっかけ
当社は外壁塗装専門の会社です。営業は足を使って一軒一軒戸別訪問をする、
飛込み営業です。毎日200軒近く訪問します。そのうち在宅は4割以下です。
不在のお宅は、番地と表札の名前を控えておき、チラシだけをポストに入れて
帰ります。夜、会社から、不在だったお宅の電話番号を調べて電話します。
昼間、そのお宅の外観や庭の様子などをメモしておいて、電話の時に「玄関先
のお花がきれいですね。よくお手入れされていますね」などとちょっとしたこ
とを会話のきっかけにしますと結構話して頂けることがあります。
昼間の訪問でインタフォン越しに断られても、チラシを入れておいて、夜電話
しますと話を聞いて頂けることも多いですので、訪問した家は必ずあとから電
話するようにしています。
▼広島市南区H工務店 総務課 青木敏子さん(25歳)
チラシ作成のアイデア
私はこの会社に入る前に、幼稚園の保母をしていました。子供相手に絵を描い
てあげたりするのが楽しかったです。
今は、事務の仕事の合間に、会社で地域にポスティングするチラシのデザイン
を考えたり文章を考えたりしています。幼稚園時代に子供に絵を描いてあげた
経験が生かせて嬉しいです。
チラシは毎回同じデザインになると飽きられてしまうので、そのつど違うパタ
ーンにし、折り方を変えたり内容を変えたり結構気を使います。
社長から「チラシの出来でお客様からのお問合わせの数が違う」と言われてい
ますので、時々本屋に行って、デザイン関係の本やイラストカット集を買って
来て研究しています。
「住まいの一口メモ」をチラシに載せていますが、題材は本から取ったり、お
客様のお宅のおばあちゃんから教えて頂いたりします。
お年寄りからのアイデアは大変役に立ちますし、チラシに、おばあちゃんの名
前を載せてあげると大変喜んでもらえます。
最近の記事では「ぬか雑巾」が大変好評で、近所のお米屋さんがこの記事を読
んで、ぬかを提供して下さいました。
そのことをチラシに掲載したら、たくさんの方から「ぬかをもらいたい」と電
話を頂き、驚きました。
チラシはいつも違った内容で、新鮮な情報を提供する事が大切だと思います。
商売が前面に出たチラシは長続きしませんし、問合わせもよくないようです。
▼徳島市P工房 設計課 福島明さん(35歳)
模型でイメージを形に
新築に限らず増改築でも、完成予想図をお客様に差し上げて、出来あがりをイ
メージしてもらうことは大切です。
外観・内観パースで見てもらっても、図面自体紙に描いてあるので、お客様に
はよく理解できない部分が多いと思います。
当社では、必ず1/50の模型を作って差し上げることにしています。
そして同じ縮尺の人間模型(画材屋で売っている)を模型の中に配置すると、
部屋の大きさがよく理解できます。
模型を作って差し上げることによって理解して頂くと、完成した後のトラブル
が減ります。
契約間近で、踏ん切りのつかないお客様に模型をお見せすると、決断が早くな
ることもあります。
▼福岡市中央区N建設 営業課 堀川恵美さん(24歳)
最終決定権者は誰だ?
増改築の場合、奥様が主導権を握っている事が多いのですが、たまにご主人が
すべての権限を持っていらっしゃる事があります。特に金額が増えれば増える
ほどその傾向があります。
最終的な決定を奥様がされるのか、ご主人がされるのかを間違えると空振りの
営業をして契約には至らなくなります。
誰が決定権者か、簡単な見分け方があります。
ご主人のご職業が専門職の方、特に理系の方などは、ご主人が取り仕切られる
ことが多いです。ご主人が全てを決定し、奥様は色決めの時に発言されるくら
いです。完成見学会の時に来場された様子を見ていますと、改築の出来映えや
間取り、キッチンの使い勝手などに興味を示す奥様とは逆に、営業マンの仕草
や接客態度を冷静に観察したり、会社の内容や規模に興味を示すご主人様の場
合、最終決定はご主人がされることが多いです。
子供さんがお行儀が悪かったりした時に、声を上げてそれを叱られる方がその
家で決定権をお持ちです。
ご自宅訪問の際、奥様がお茶の支度をされている間、ご主人様とお話をします
が、途中で奥様に早く来るようにせかされる時、また奥様が営業マンとご主人
との会話を台所でじっと聞いている場合も奥様が決定権者です。
タバコを吸われるご主人様の場合、居間で平気でスパスパ吸われる方はかなり
自分の意見を通される場合が多いです。そういう場合は、奥様と約束してもあ
まり意味がありません。
▼福岡市中央区Hランド 営業部 馬場伸二さん(33歳)
野菜のプレゼント
お客様のお宅へ訪問するときに、何気なく野菜を持っていってあげたら予想以
上に喜ばれてびっくりしたことがあります。
それまでは、ショートケーキやお菓子などを持っていったこともあるのですが、
契約前のお客様などにはかえって下心を見透かされているようで、どうも調子
が悪かったです。
野菜はビニールの袋にジャガイモ・にんじん・玉ねぎ・きゅうりなどを小分け
して、誰でも持っていけるように準備しています。
野菜だと気楽に渡せますし、もらったお客様も、ほのぼのとした温かみを感じ
ると、とても好評です。
特に最近、野菜の値段が高いので喜んで頂いています。
▼横浜市中区 横浜K住宅ハウジング部 香川洋子さん(28歳)
お客様が営業マン
増改築を検討されているお客様に、増改築の完成現場をお見せするのはとても
効果的です。中には現場を見たいとおっしゃらない方もいらっしゃいますが、
そういうお客様にもお見せすることによって決断が早まります。
私は、以前増改築させて頂いたAさんというお客様と、とても親しくさせて頂
いていますので、今から増改築したいお客様を直接そのAさんのお宅へ行って
頂く事にしています。私達営業マンがあえて案内せずに、直接行っていただく
というのが、ミソです。
あらかじめAさんにはいついつお客様がお見えになるので、よろしくお願いし
ますと頼んでおきますが、そこはAさんも分かっていらっしゃって「どうぞど
うぞ。また、会社とあんたの宣伝しておくからね」と言って頂けます。
今から増改築をするお客様はこちらが想像する以上に不安を持っていらっしゃ
いますので、過去に工事をしたお客様から直接会社の情報や工事の出来具合を
聞く事が出来ると、とても安心されるようです。
Aさんにはもちろん、お中元やお歳暮は欠かしません。
▼八王子市Wアート住建 営業課 野中秀雄さん(35歳)
名刺を捨てられないように
チラシをポスティングするときに、一緒に名刺を入れておきますが、その名刺
の裏に10円玉を張りつけておきます。
チラシは捨てられる可能性が大きいですが、10円玉を張りつけた名刺は捨てら
れません。「その10円でお電話ください」という意味なのですが、もちろん先
行投資と思っています。
仮に一日200軒にポスティングすると2,000円、月に40,000円くらいの先行投資
と思ってやっています。40,000円で契約が一件でも取れれば安いものです。
名刺に10円を張っておくと、直接名刺を受けとってくれた方は必ずそれを見て
何か言われますので、話題作りにもなります。
それに、会社名と名前を覚えてもらえますから。
▼熊本市R建設 増改築アドバイザー 駿河征子さん(55歳)
紹介依頼は粘り強く
契約を頂いたお客様に、知人友人を紹介して頂くのは当然と思います。
営業の方の中には、あまりしつこく紹介の依頼をすると迷惑がられるのではな
いかと思っている方がいますが、それは違います。
お客様は、心の中では知り合いを紹介したいと思ってるのです。でも、心のど
こかで、紹介して大丈夫かなあという不安があります。ですから、しつこいく
らいに紹介の依頼をしないと本当に紹介は頂けないんです。
それと紹介を頂くタイミングですが、契約直後が一番いいと思います。
契約直後から工事着工前が一番いいタイミングです。
こちらが一生懸命何度も紹介の依頼をしますと、お客様も申し訳ない気持ちに
なって、紹介頂けることが多くなります。とにかく、何度もお願いすることで
すね。
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