居室の採光について

 

 住宅の居室には、建築基準法で定める一定の割合の、「採光に有効な開口部(窓等)」を設けなければいけません。(ここでは、住宅に付いてのみ取り上げます。)

 採光が必要な「住宅の居室」とは、家の中で常時生活する部屋を指し、トイレ、浴室や洗面所、納戸などの収納室、専用のキッチン、などは除きます。

 「採光」という文字から、日当たりを想像しますが、ここでいう「採光」は太陽光には関係無く、天空光を指しており、真北の一日中日の当らない窓であっても、条件を満たせば採光に有効な窓であり、逆に、実際には日光が差すであろうと考えられても、建築基準法では採光に有効な窓とならない事があります。

 南側に配置したい部屋を、この「採光」の基準の為に、北側に配置せざるおえなくなる事などは多々あり、厄介な法規です。

 住宅の居室では、その部屋の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部(窓等)を設けなければいけません。たとえば15畳のリヴィング(約24.7m2)であれば3.53m2の採光に有効な窓が必要になります。3.53m2の窓とは、一ヶ所だけの窓ということではなく、窓が3ヶ所あれば、その合計の面積が
3.53m2になれば良いという事です。

***採光に有効な窓***

図1に示す高さHの範囲内にある
窓が、採光に有効な窓です。
Hの値は隣地境界線又は、同一
敷地内の別棟から、建物の一番
突出している部分(図では軒先)
までの距離 D に用途地域別の
数値をかけた値になります。

1.住居系地域 H≦2.5D

2.工業系地域 H≦4D

3.商業系及無指定地域 H≦5D

2.3では、D≧5mあれば開口部
すべてが有効

 図2のように、1階と2階の「D」の値が異なる場合は、厳しいほうの「H」で計算します。図では「H1」になります。

 道路、公園、川などに面する開口部は、すべて採光に有効な開口部とみなします。都心部では隣地境界線から余裕を持って建物を建てることが難しい為、採光は道路側から採るような建築プランになる事が多くなります。

 実際に住居系地域では、2階建ての1階の部屋で、道路に面していない場合、隣地境界線から軒先までの距離が.2mぐらいあいていないと採光に有効な窓が設けられない(違法建築となる)ことになり、都市部の狭い敷地ではでは、たとえ道路が北側にあっても道路に面するほうから、採光を採るしかないのが実状です。

 ※最上階の部屋では、一般の窓から採光が採れない場合は、天窓による採光が採れます。天窓の場合は、実際の窓面積の3倍の面積があるとすることが出来ます。

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