北道路と南道路

 

 わが国の都市部では、地価が高いがゆえに敷地が細分化され、ひしめき合うように住宅が建ち並んでいます。狭い敷地に、より部屋数の多い住宅を建てようとする為、建売住宅などでは木造3階建ての物件が増えています。しかし、実際に住居系地域の狭い敷地において3階建て住宅を建てようとしても、「斜線制限」や「採光」などの法的制限の為、合法的にスマ−トな3階建て住宅を建てられる条件の敷地はそう多くはありません。その為、建築確認は2階建てで申請しておいて実際には3階建てを建築して販売するような悪質な建売住宅が氾濫しており、その安全性などが社会問題となっています。

 住居系地域の狭い敷地で3階建て住宅を建てる場合「斜線制限」が大きく影響してきます。ここでは道路が敷地の北側にある場合と南側にある場合の違いを簡単な例で説明します。

敷地は住居系地域にあり、高度地区は一般的な第二種高度地区の地域として説明します。また、道路はそれぞれ真北、真南にあるものとします。

敷地の南側に道路がある場合

左図のように南側からの道路斜線と北側隣地境界からの高度斜線により3階の部分はまともな部屋は造れません。左図の場合の敷地の南北の距離は約7.2mとして作図しました。(建物奥行き3間)

南道路の場合、敷地が南北方向にかなり長くないと3階の部屋が取りにくくなります。

敷地の北側に道路がある場合

前述の南道路の場合と違い、高度斜線は道路の反対側からの摘要となり3階建てでは、左図のように道路斜線しか影響しません。

北側道路のほうが、3階建てを計画する場合有利であるといえます。

この例の場合道路は真北にあることを前提にしています。道路が東西に振れている場合は、その角度により東又は西からも高度斜線に影響されるので注意が必要です。

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